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VPN と MPLSとの違いとは?

はるき2022年6月30日読了時間約1分

 現在、VPNとMPLSは、データを効率的に保存し、安全を確保するための2つの競合技術となっています。しかし、それらは一体何であり、どのように違うのでしょうか?この記事では、VPNとMPLSの違いについて詳しく紹介します。
VPN vs MPLS:VPNとは
 VPNは「Virtual Private Network」の略で、仮想の専用線とも呼ばれます。VPNを設置することで、トンネリングや暗号化による特定の対象者向けの専用ネットワーク回線が構築され、安全な通信が確保されているわけです。関連記事:「VPNルーターとは?VPN対応ルーターの選び方についてわかりやすく解説」
VPN vs MPLS:MPLSとは
 MPLSは「Multi-Protocol Label Switching」の略で、IPアドレスを使用する代わりにラベルを使用して、ネットワーク・ノード間にパケットを伝送する技術です。場所や距離に関わらず、異なるノード間に直接仮想リンクを設定することができます。
 VPNとは異なり、MPLSはネットワーク上にプロトコルやデータに依存しないパスの概念なので、物理的なネットワーク・トポロジーによらず機能することができます。
 この柔軟性により、多くのサプライヤーがMPLSプラットフォームに適したネットワークスイッチを開発しています。例えば、FS S5800-48F4S10GbEスイッチは、MPLSネットワーク内のLSRがラベルバインディングに関する情報を交換し、ホップバイホップ転送をサポートすることが可能です。
VPN vs MPLS:ぞれぞれの違いとは
 VPN と MPLS は、上記のような点だけでなく、コスト、パフォーマンス、アプリケーションなどにおいても互いに異なっています。ここでは、VPN と MPLS の違いを下表に示します。
VPN
MPLS
技術
ポイント・ツー・ポイント(P2P)と、 マルチポイント技術
マルチポイント技術
OSI Layer
レイヤ7まで動作IPSec-VPN :レイヤ2~レイヤ7SSL-VPN :レイヤ3~レイヤ7レイヤ2VPN: レイヤ5~レイヤ7
レイヤ2とレイヤ3の間で動作
暗号化
サポート
サポートできない
コスト
安価
高価
トラフィックの優先順位付け
不可
可能
プラットフォーム
ルーター(セキュリティライセンスが必要)、ファイアウォールに対応
ルータ、ファイアウォール、Ⅼ3ギガビットイーサネットスイッチなど、あらゆるⅬ3デバイスで終端することが可能
マルチキャスト
IPsecの上にGREを実装する必要による追加設定とオーバーヘッドが発生するため、IPsec VPNはサポートできない
サポート
規模別
中小・中堅企業向け
大企業向け
プロビジョニングと管理
VPNの設定はお客様ご自身でIPsec対応機器でプロビジョニングを行う必要がある
サービスプロバイダがMPLS接続を提供・維持するため、お客様は機器設定の負担が軽減される
トラフィックの制御とルーティングの決定
お客様はトラフィックのルーティングを制御できる
サービスプロバイダはトラフィックの制御とそのルーティングをより多く持っている
場所の制限
どのプロバイダーからでも、お客様先でインターネットに接続できることが基本条件
サービスプロバイダーがネットワークを敷設している場所、または他のサービスプロバイダーと提携している場合
遅延などについての体験
遅延に敏感なトラフィックやビジネスクリティカルなアプリケーションにはあまり好まれず、信頼性も低い
QoSが実装されている場合、より信頼性が高く、より良いユーザーエクスペリエンスを提供
導入期間とネットワークの可用性
インターネットを介した遠隔地のホームユーザーのため、SSL/IPsecリモートアクセスVPNなど、簡単で迅速な導入が可能
インターネットを介した遠隔地のホームユーザーのため、SSL/IPsecリモートアクセスVPNなど、簡単で迅速な導入が可能
クラウドベースサービス
VPN接続を利用したインターネット経由での幅広いクラウドベースサービスが利用可能
MPLSを利用したクラウドベースのサービスには制限がある
VPN と MPLSに関するFAQs
問題1:MPLS は VPN よりも安全か
 実は、VPN は MPLS よりも高度なセキュリティとプライバシーを提供することができます。
MPLSの場合:独自のインフラとルーティング・プロトコルを持つプライベート・ネットワークであるMPLSは、トラフィックのハッキングの影響を受けにくいです。
◉しかし、MPLSの設備が不適切に設定されると、ユーザーはデータ・リスクに陥る可能性があります。
◉しかも、MPLSではデータが暗号化されていないため、誰かがネットワークに侵入すれば、ユーザーのプライバシーが危険にさらされます。このとき、ユーザーはパスワード、銀行口座、その他の機密情報など、データを損失してしまう可能性があります。
 VPNの場合:MPLSと比べて、VPNはデータ・セキュリティの面でより効果的に機能します。
◉まず、VPNは通常、ユーザーの個人情報を保護するために複数の防御層を使用するため、ハッカーがネットワークに侵入することは困難です。
◉また、MPLS とは異なり、VPN のデータは暗号化されているため、ユーザーがデータ攻撃を受けたとしても、ハッカーがデータを解析できないため、データの損失やリスクにさらされることはありません。
◉さらに、多くの企業では、VPNにキルスイッチのアイデアを組み込むなど、セキュリティ機能を追加したVPNも提供しています。
問題2:MPLS は VPN よりも速いか?
 実際、この質問に正確な答えはありません。MPLS が VPN よりも速いかどうかは、ネットワークの特定の設定に依存する。
 伝統的に、インターネット接続に関しては、MPLS の方が速いです。なぜならトラフィックの暗号化を使わないため、かなり時間を節約できます。また、MPLSはIPアドレスの代わりにラベルを使ってパケットをルーティングすることで、接続速度をある程度に向上させることができます。さらに言えば、より小さく、より包括的なMPLSはVPNよりも高速なデータ接続を実現することもできる。
 これに対して、VPNは、データを暗号化して仮想サーバーを経由させる必要があり、時間がかかるため、インターネット接続の速度は少し低下しますが、VPNはトラフィックを高速化することも可能です。例えば、VPNを使用すると、ユーザーは自分のオンラインアクティビティをインターネットサービスプロバイダー(ISP)から隠すことができるため、トラフィックのスロットリングを回避することができます。
問題3:VPNとMPLSとどちらを選ぶべきか?
 上記のように、VPN と MPLS にはそれぞれ長所と短所があります。そのため、VPNやMPLSのネットワークを導入する前に、コスト・ベネフィット分析を行い、判断する必要があります。実際、VPNとMPLSの選択は、コスト、セキュリティ、可用性、QoS、速度など、ビジネス上の要件によって決定します。例えば、ネットワーク上で重要なリアルタイム・アプリケーション(音声、ビデオ、リモート・デスクトップなど)を実行する場合、MPLSは最適なソリューションです。一方、VPNは、コストを抑え、QoSや速度などに対する要求が低い場合に適しています。