MSN4700-WS2FCスイッチに適した光モジュール:QDD-DR4-400G-Si
2024年12月12日読了時間約1分
今日のデータセンターや高性能コンピューティング(HPC)環境において、ネットワークスイッチに対する要求はますます高まっています。特に、帯域幅、低遅延、そして高密度接続に関しては、重要な要素となっています。MSN4700-WS2FCスイッチは、高性能で高帯域幅を提供するネットワークスイッチとして、現代のネットワークアーキテクチャにおけるさまざまなニーズに対応できます。このスイッチの利点を最大限に引き出すためには、適切な光モジュールの選定が非常に重要です。数多くの選択肢の中で、QDD-DR4-400G-Si光モジュールは、その卓越した性能と効率的な設計により、MSN4700-WS2FCスイッチの理想的な組み合わせとなっています。
MSN4700-WS2FCスイッチの概要
NVIDIA® Mellanox MSN4700-WS2FCイーサネットL3データセンタースイッチは、リーフ、スパイン、スーパースパインデータセンターアプリケーション向けに設計された、次世代の第4世代スペクトラムスイッチです。このスイッチは、1GbEから400GbEまで幅広いポート速度を提供し、さまざまな速度のエンドポイントへの接続を可能にします。さらに、25.6Tb/sのスループットと8.4Bppsのランドマーク処理能力を持ち、データセンターやネットワーク環境で要求される大容量、高速通信に対応しています。
また、MSN4700-WS2FCスイッチは、ウェブスケールの高度な自動化、カスタム化、および拡張性を提供する強力なオープンネットワークOSであるNVIDIA Cumulus Linuxがプリインストールされています。これにより、ウェブスケールIT、クラウド、ハイパーコンバージドストレージ、データ分析アプリケーションに最適な選択肢となっており、迅速で柔軟なネットワーク運用を実現します。
主な機能と特徴
PTP、SyncE、BCクロックモードをサポートし、ナノ秒単位の精度で時間同期を実現します。
NVIDIA® Spectrum-3スイッチを搭載し、1/10/25/40/50/100/200/400GbEインターフェースの速度をサポートします。
MLAG、BGP-EVPN、VXLAN、MPLS、ECMP、BFD、DCBXなどの高度なネットワークプロトコルに対応します。その中に、
①EVPN-VXLANはレイヤー2仮想ネットワークファブリックを動的に実現:EVPN-VXLANは、レイヤー2ドメインの可能性を広げ、マルチテナントホスティングや仮想マシンのマイグレーションなどのサービスを実現します。

②MLAGは安定したサービスを実現:MLAGが動作しているスイッチは、MLAGのトラフィックを中断させることなくアップグレードが可能です。アップグレード中は、システム内の別のスイッチがトラフィック転送を引き継ぎ、サービスを中断させません。

可視化のために、WJHテレメトリーやインバンドネットワークテレメトリー(INT)をサポートします。
PFC、ECN、およびコンバージドイーサネット上のRDMA(RoCE)により、マイクロ秒の低遅延とゼロパケット損失を実現します。
1+1ホットスワップ可能な電源と、6(N+1)ホットスワップ可能なファンにより、システムの冗長性と信頼性を確保します。
OpenFlowおよびクラウドスケールNAT(100K+セッション)をサポートし、柔軟なネットワーク構成を提供します。
革新的なプログラム可能なオペレーティングシステムCumulus Linuxを使用して、運用の柔軟性と拡張性を最大化します。
QDD-DR4-400G-Si光モジュールの概要
QDD-DR4-400G-Si光モジュールは、最新の400GBASE-DR4規格に準拠した高性能なシリコンフォトニクス(SiPh)ベースの光モジュールです。このモジュールは、MPO-12コネクタを介して、パラレルシングルモードファイバを使用し、最大500mの伝送距離を実現します。QSFP-DD MSA CMIS Rev4.1、OIF 56G PAM4、100G Lambda MSA、IEEE 802.3bsプロトコル、400GAUI-8規格に準拠しています。400ギガビットイーサネット信号は、1レーンあたり1波長で4パラレルレーンに伝送されます。QSFP-DR-100Gへの4x100Gブレイクアウトとして使用可能です。
また、QDD-DR4-400G-Siは、次のような特徴を持つ高性能光モジュールです。
400Gのデータ転送速度: 400Gbpsのデータ転送速度により、非常に大きなデータ量を迅速に処理することができます。これにより、データセンターやHPC環境での高速通信が可能になります。
DR4標準: QDD-DR4-400G-Siは、DR4(デュアルリンク・4チャンネル)設計を採用しており、効率的なデータ転送を実現します。これにより、高い性能を提供しつつ、リソースの最適化も可能になります。
SiPhベース技術: QDD-DR4-400G-Siモジュールは、シリコンフォトニクス(SiPh)技術を基盤にした低消費電力、高密度化設計を実現しています。この技術により、低コストでありながら、高効率で安定した性能が提供されます。

Broadcom 7nm DSPチップ: 内蔵されたBroadcom 7nm DSPチップが、優れた信号処理能力を発揮し、信号の品質と伝送効率を高めます。それにより、安定した伝送を実現します。
高密度と低消費電力: 高密度の設計により、限られたスペースで多くの接続を確保できます。消費電力は最大10Wで、運用コストの削減にも役立ちます。
FS QDD-DR4-400G-Si光モジュールを選ぶメッリト
FS QDD-DR4-400G-Siモジュールには、上記の製品特徴に加えて、独自の価値のある利点もあります。このモジュールを選ぶ際に、注目すべき利点は次のとおりです:
高い互換性と信頼性:FS QDD-DR4-400G-Si光モジュールは、MSN4700-WS2FCスイッチとの完全な互換性があり、これによりネットワークのパフォーマンスを最大化することができます。MSN4700-WS2FCスイッチは、スケーラビリティの高い帯域幅と低遅延の要求を満たすために設計されており、QDD-DR4-400G-Siモジュールはその能力を引き出し、高効率なデータ伝送と安定した接続を提供します。同時に、導入後に問題なく動作し、ネットワークの安定性を確保することができます。
高度なテストと保証された品質:FS QDD-DR4-400G-Siモジュールは、最新の機器を使用して行われる光スペクトラムテスト、温度テスト(0 ~ 70°C)などを通じて、高い品質と信頼性を保証しています。品質テストでは、パケットロスやCRCエラーがないことが確認され、ビット誤り率(BER 2.4E-4)やTDECQ(1.68dB)テストにも合格しています。これにより、長期間にわたり安定したネットワーク性能を提供します。
柔軟なネットワーク構成:FSボックスを使用すると、異なるブランド間でモジュールを再構成して運用することができ、在庫コストに対する柔軟性が向上します。これにより、スイッチとモジュールの選定、交換、およびアップグレードがシームレスに行え、ネットワークの拡張性を高めます。

ネットワークを1サイトずつアップグレード:1サイトだけを400Gギアにアップグレードしても、このモジュールは既存の100Gサイトに接続できます。新しい400Gサイトと従来の100Gサイトを接続する場合、新しい400Gポートを通じて100G光デバイスを再利用し、400Gポートの帯域幅を最大限に活用し、ネットワークアップグレードのプロセスを簡素化します。

迅速なサポートとカスタマーサービス:FSは、製品に関する技術サポートやカスタマーサービスを提供しており、問題が発生した際にも迅速に対応できます。また、グローバルなネットワークを活用し、どこでもサポートを受けることができます。
大量の在庫と当日発送:FSは、各種光モジュールを豊富に取り揃えており、製品を即座に提供するため、大量の在庫を常に確保しています。また、ローカル倉庫を持って、多くの製品は当日発送に対応して迅速な納品を実現します。これにより、急な納期にも柔軟に対応可能です。
これらのメリットにより、FS QDD-DR4-400G-Si光モジュールはMSN4700-WS2FCスイッチとの組み合わせにおいて、ネットワークのパフォーマンス向上、運用コスト削減、そして柔軟なネットワーク設計を実現する理想的な選択肢となります。
FS QDD-DR4-400G-Siと他の光モジュールとの比較
FSのQDD-DR4-400G-Siモジュールは、400GbEの伝送をサポートする高性能な光モジュールであり、特にMSN4700-WS2FCスイッチとの相性が良く、他の従来の光モジュールに比べていくつかの優れた特長があります。以下では、SR4モジュールやFR4モジュールとの比較を通じて、QDD-DR4-400G-Siモジュールの優れた性能とコストパフォーマンスを強調します。
1. 伝送距離と帯域幅の比較
QDD-DR4-400G-Siモジュール:最大500mの長距離伝送をサポートします。これにより、大規模なデータセンターや複雑なネットワーク構成で、長距離接続が求められる環境でも優れたパフォーマンスを発揮します。
SR4モジュール:通常、最大100mの伝送距離をサポートします。SR4モジュールは主に短距離通信に適しており、長距離伝送には制限があります。
FR4モジュール:最大2km程度の伝送距離をサポートしますが、QDD-DR4-400G-Siと比べて帯域幅やパフォーマンスの点ではやや劣ります。FR4モジュールは長距離伝送には適していますが、QDD-DR4-400G-Siのように高帯域で効率的にデータを処理する能力には欠ける部分があります。
2. 消費電力と効率性
QDD-DR4-400G-Siモジュール:最大消費電力は10Wであり、低消費電力設計が施されています。これにより、エネルギー効率が高く、運用コストの削減に寄与します。
SR4モジュール:一般的にSR4モジュールは、QDD-DR4-400G-Siよりも高い消費電力を消費する傾向があり、大規模なデータセンターや高パフォーマンス要求のあるネットワーク環境では効率性に欠ける場合があります。
FR4モジュール:FR4モジュールも高性能を誇りますが、QDD-DR4-400G-Siと比較すると消費電力が若干高く、エネルギー効率に関しては劣る部分があります。
3. コストパフォーマンス
QDD-DR4-400G-Siモジュール:シリコンフォトニクス技術を使用しており、非常に効率的でありながら、コストを抑えた製造が可能です。このモジュールは、SR4やFR4モジュールと比較して非常に高いコストパフォーマンスを提供します。特に、高密度のポート設計や低消費電力、長距離伝送の優れた特性を持ちながら、価格面でも競争力を持つため、コスト対効果の面で非常に優れた選択肢となります。
SR4モジュール:SR4モジュールは、高性能でありながら比較的安価で提供されることが多いですが、伝送距離や帯域幅に制限があるため、大規模なネットワークや高性能が求められる環境では追加コストが発生することがあります。
FR4モジュール:FR4モジュールは高い伝送距離をサポートしますが、QDD-DR4-400G-Siに比べてコストが高く、同等のパフォーマンスを発揮するためには追加のコストがかかることがあります。
以下は3つのモジュールの仕様比較表です:
仕様項目 | QDD-DR4-400G-Siモジュール | SR4モジュール | FR4モジュール |
伝送速度 | 1GbE~400GbE | 100GbE | 100GbE~400GbE |
伝送距離 | 最大500m(シングルモードファイバ) | 最大100m(シングルモードファイバ) | 最大2km(シングルモードファイバ) |
コネクタタイプ | MPO-12(パラレルシングルモードファイバ) | MPO-12またはLC-Duplex(シングルモードファイバ) | MPO-12(シングルモードファイバ) |
消費電力 | 最大10W | 最大10W | 最大15W |
インターフェース | QSFP-DD | QSFP+ / QSFP28 | QSFP+ / QSFP28 |
規格準拠 | IEEE 802.3bs、QSFP-DD MSA、CMIS Rev4.1、OIF 56G PAM4、100G Lambda MSA | IEEE 802.3bs、400GAUI-8、OIF 56G PAM4 | IEEE 802.3bs、400GAUI-8、OIF 56G PAM4 |
伝送方式 | 4x100G PAM4(4パラレルレーン) | 4x25G PAM4(4パラレルレーン) | 4x25G PAM4(または100G PAM4) |
データ伝送形式 | 400GbE(1レーンあたり1波長) | 100GbE(1レーンあたり1波長) | 100GbE~400GbE(異なるバリエーションあり) |
動作温度 | 0~70℃ | 0~70℃ | 0~70℃ |
対応機器 | MSN4700-WS2FC、その他400GbE対応スイッチ | SR4対応スイッチ | FR4対応スイッチ |
長距離対応 | 長距離(最大500m) | 短距離(最大100m) | 長距離(最大2km) |
低遅延対応 | 高度な低遅延対応 | 標準的な低遅延対応 | 高度な低遅延対応 |
エネルギー効率 | 高効率(低消費電力設計) | 標準的な消費電力設計 | 標準的な消費電力設計 |
コストパフォーマンス | 高コストパフォーマンス | 標準的なコストパフォーマンス | 高コストパフォーマンス |
表のパラメーターの比較から:
SR4モジュールは短距離での使用に適しており、最大100mの伝送距離をサポートしますが、伝送速度や効率性の面でQDD-DR4-400G-Siに比べて劣ります。
FR4モジュールは長距離伝送をサポートする一方で、消費電力が高く、QDD-DR4-400G-Siに比べてエネルギー効率でやや劣る場合があります。
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールの組み合わせ
適用分野
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールの組み合わせは、現代のデータセンター、クラウドコンピューティング、高性能コンピューティング(HPC)など、さまざまな高帯域幅と低遅延が要求される環境に最適です。この組み合わせは、効率的なデータ転送と高密度な接続を提供し、特に以下の分野で優れた性能を発揮します。
データセンターとクラウドインフラ
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールは、大量のデータトラフィックを処理し、データセンター間の接続を高帯域幅で支援します。QDD-DR4-400G-Siモジュールは400Gの高スループットと低遅延を実現し、クラウドサービスプロバイダーや大規模データセンターにおけるデータ転送のパフォーマンスを大きく向上させます。また、長距離の伝送をサポートしているため、複数のデータセンター間の高速で信頼性の高い接続が可能です。
高性能コンピューティング(HPC)
HPC環境では、大規模で計算集約型のアプリケーションが要求されます。MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールは、高速かつ安定したデータ転送を提供し、並列計算を効率的にサポートします。特に、科学技術計算、ビッグデータ解析、AI(人工知能)トレーニングなど、データセンター内での高性能計算タスクにおいて、信頼性の高いネットワーク接続を確保することができます。
5Gインフラとエッジコンピューティング
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールは、5Gインフラやエッジコンピューティングにも適しています。これらの技術は、高速なデータ通信とリアルタイムのデータ処理が必要であり、400Gの高速伝送がこれらのニーズに応えます。QDD-DR4-400G-Siモジュールは、5Gネットワークのバックボーンやエッジデバイスとの接続にも最適で、低遅延のデータ伝送をサポートします。
適用ソリューション
MSN4700-WS2FCスイッチは、さまざまなネットワーク環境において高い性能と柔軟性を提供します。以下は、このスイッチを利用した複数のソリューションとその適用事例です。
統合ソリューション
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールの組み合わせは、データセンターやクラウドインフラでの統合ソリューションを提供します。これにより、複雑なネットワークインフラをシンプルかつ効率的に構築することができます。400GbEの高速接続と低遅延をサポートすることで、スケーラブルで高効率なネットワーク環境が実現します。企業のITニーズに合わせて、柔軟に拡張可能なネットワークインフラを提供します。
800Gから400G
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールは、800Gの大容量通信を400Gへスムーズにダウンリンクすることができます。この変換は、大規模なデータセンターやクラウドサービスで有用で、過剰な帯域を節約しつつ、高帯域の接続を維持できます。400Gの接続で十分なスループットを確保し、必要な帯域幅に応じて柔軟にネットワークを最適化できます。
400Gから4x100G
400Gから4x100Gへの変換機能も、MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールの利点です。この機能は、より多くのデバイスやサーバーを接続するために必要な帯域幅を提供します。4x100Gのブレークアウトで、複数のネットワークポートに分割し、より高密度で効率的な接続を実現することができます。これにより、大規模なデータセンターやエンタープライズ環境での負荷分散が可能になります。
400G相互接続
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールの組み合わせは、400Gの相互接続にも対応しています。この高帯域幅での接続は、データセンター内での大量のデータ転送や通信に最適です。特に、クラウドコンピューティングやAIワークロードにおいて、高速で信頼性の高いネットワークを提供します。さらに、400Gの接続は、他のネットワーク機器やサービスと柔軟に連携し、高効率のデータ通信を確保します。
100Gから400G
100Gから400Gへのアップグレードも、MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールの重要な特徴です。これにより、既存の100Gネットワークから簡単に400Gへ移行することができ、将来的なスケーラビリティを確保できます。データセンターや企業ネットワークの増大する帯域幅のニーズに対応し、パフォーマンスの向上を図ることができます。

図:100Gから400Gへの移行
スパインリーフ・ファブリック
MSN4700-WS2FCスイッチとQDD-DR4-400G-Siモジュールは、スパイン・リーフアーキテクチャに最適です。このアーキテクチャでは、高帯域幅と低遅延を実現し、データセンター全体の効率的なデータ転送をサポートします。スパイン・リーフの設計は、ネットワークトラフィックの集中を防ぎ、冗長性と可用性を確保するため、サーバー間の通信や大規模なデータ処理に最適です。QDD-DR4-400G-Siモジュールを使用することで、高速で安定した接続が実現し、スパイン・リーフファブリックのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
結論
QDD-400G-DR4-S光モジュールは、MSN4700-WS2FCスイッチと組み合わせることで、高速・高効率なネットワーク性能を提供し、データセンターやHPCなどの環境での帯域幅と低遅延の要求に応えます。このモジュールを選ぶことで、通信速度、信号品質、電力効率が向上し、運用コストの削減にも繋がります。
FSは、適切な光モジュールの選定において、専門的なサポートとカスタマイズされたソリューションを提供しています。FSのチームに相談することで、最適な製品とソリューションを見つけ、ネットワークのパフォーマンスを最大化することができます。