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LANケーブル:Cat5e/Cat6/Cat6a/Cat7/Cat8の違いと選び方

こばやし2022年6月24日読了時間約1分

ネットワークの遅延や不安定さに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。その原因は、実は「LANケーブル」の選び方にあるかもしれません。外見は似ていても、Cat5e、Cat6、Cat6a、Cat7、Cat8の各規格は、速度、距離、ノイズ耐性に大きな差があります。本記事では、これら主要規格の技術的な違いを分かりやすく比較し、ご家庭・オフィス・データセンターなど利用シーンごとの最適な選び方から、無酸素銅などの導体品質や認証マークに代表される品質の見極め方まで、一貫した判断基準をご紹介します。
LANケーブルの主要規格
LANケーブル選定の第一歩として、以下の比較表で各規格の基本性能を把握できます。
カテゴリー
最大通信速度
周波数帯域
最大伝送距離 (標称速度時)
シールドタイプ
主要対応規格
Cat5e
1 Gbps
100 MHz
100 m (1Gbps)
UTP(非シールド)
1000BASE-T
Cat6
1 Gbps / 10 Gbps
250 MHz
100 m (1Gbps) / 55 m (10Gbps)
UTP または クロスセパレータ付き
1000BASE-T, 10GBASE-T
Cat6a
10 Gbps
500 MHz
100 m (10Gbps)
UTP または STP/FTP
10GBASE-T
Cat7
10 Gbps
600 MHz
100 m (10Gbps)
S/FTP (各ペア+全体シールド)
10GBASE-T
Cat8
25 Gbps / 40 Gbps
2000 MHz
30 m (25/40Gbps)
S/FTP (各ペア+全体シールド)
25GBASE-T, 40GBASE-T
各規格の仕様概要
Cat5e
:最大100MHzの帯域幅
を有し
、100m距離での1Gbps伝送
に対応します
。Cat5からの改善により、NEXT性能が大幅に向上し、
1000BASE-Tの安定動作を実現する基幹規格となります。
Cat6
:帯域幅は250MHzに向上し、1Gbpsでの伝送品質を高め、
標準規格上は55m以内の短距離で10GBASE-Tに対応しますが、実環境では30m程度までを推奨するケースが多いのです。
内部に物理的
分離器(
クロストークセパレータ
)を導入し、線対間のクロストークを効果的に低減することが最大の特徴です。
Cat6a
:Cat6の実用上の課題であった外来クロストーク(ANEXT)を大幅に抑制するよう設計された上位規格です。帯域幅は500MHzに倍増し、100mまでの10GBASE-T伝送を想定した規格で、適切な施工・環境下で安定した10Gbps通信が期待できます。これにより、高密度配線環境における10ギガビットイーサネットの基盤標準となりました。
Cat7
:600MHzの帯域幅を持ち、各線対を個別にシールドし、さらに全体をシールドで覆うS/FTP構造を採用しています。これにより、規格として極めて高いEMI耐性を実現しており、
従来のRJ-45コネクタとの互換性は一部製品に限られ、規格上はより高性能なGG45/TERAコネクタを推奨しています
。なお、Cat7は
運用環境や市場によって扱いが異なるため
、RJ‑45での互換運用を前提とする場合は、コネクタ形状・配線部材・対応機器を含めて事前確認を推奨します。
Cat8
:2000MHzという広大な帯域幅を持ち、
データセンター内のサーバーとトップオブラックスイッチ(ToRスイッチ)間の超短距離(30m以内)高密度配線に特化した規格です。
規格上は25GBASE-Tおよび40GBASE-Tに対応し、完全なシールド構造により、サーバーとトップオブラックスイッチ間の高速バックボーンとして
機能します
LANケーブルの正しい選び方
LANケーブルを選ぶ際に重要なのは、単に「最も速い規格」を選ぶことではありません。速度、距離、コスト、設置環境、将来のアップグレード計画という多角的な要素の間で、最適なバランス点を見つけることが重要です。適切な規格を選択するには、以下の順序で要件を整理することが有効です。
ステップ1: 用途とシーンで選ぶ
使用シーン
推奨規格
タイプ・線径
選定理由とポイント
家庭・ホームオフィス (在宅ワーク、動画視聴)
Cat6
UTP 28AWG(細径)
1Gbps環境にはCat6で十分です。コストパフォーマンスが良く、細径(Slim)タイプならデスク周りの配線もすっきり収まります。
オンラインゲーム (4K/8Kストリーミング)
Cat6またはCat6a
UTP 標準径
低遅延・安定性を重視。2.5G/5G回線の導入予定があるならCat6aが安心です。ノイズ源から離して配線してください。
中小オフィス (Wi-Fi 6 AP、PoE給電)
Cat6a
UTP 23/24AWG
10Gbps通信と高電力PoE++に対応する現代の標準規格です。電力損失を抑えるため、太めの導体(23AWG等)とUL認証品を選びましょう。
工場・医療施設 (高ノイズ環境)
Cat6aまたはCat7
STP/FTP (シールド)
強力な電磁ノイズ対策が必要です。※シールド対応のコネクタ・機器を使用し、適切な接地(アース)工事が必須です。
データセンター (ラック内接続)
Cat8
S/FTP メーカー成端済み
25G/40Gbpsの超高速通信用(30m以内)。性能保証のため、現場加工ではなく工場でテスト済みのLANケーブルを使用します。
ステップ2: 将来性と総保有コスト(TCO)を考える
LANケーブルの選択は、現在の必要速度だけで判断するのではなく、将来のネットワークのアップグレード計画も視野に入れることが重要です。
配線工事、特に壁内や天井裏などにケーブルを通す場合、そのコストの大部分は人件費が占めます。ケーブル自体の価格差よりも、将来の帯域要求が高まった際に全面取り替えを行う工事費用の方がはるかに大きくなる可能性があります。
したがって、新規配線や大規模改修の場合は、現在の要件を満たす規格より一段階上位の規格(例:Cat5e→Cat6、Cat6→Cat6a)を選定することで、将来の帯域拡張に対応でき、再工事による追加コストを削減できます。これは、長期的に見れば、全面取り替え工事を防ぐコスト効率の良い投資となり得ます。
ステップ3: 品質を見極める
同じ規格でも、素材や構造によって長期の信頼性と性能は大きく変わります。仕様表に現れない以下のポイントを確認し、失敗のない選択を心がけましょう。
導体素材は無酸素銅(OFC)を確認する
高品質なケーブルの導体は「無酸素銅」または「純銅(100% Copper)」です。これらは電気抵抗が低く これらの導体を使用したケーブルは、信号の減衰が少なく、PoE給電時も効率的で発熱リスクが低くなります。一方、安価な製品に使われる「CCA(銅被覆アルミニウム)」は抵抗が高く、性能と安全性の面で問題となる可能性があるため、避けるべきです。
ワイヤゲージ(AWG)は用途に合った太さを選ぶ
AWGは数字が小さいほど線が太くなり、電気抵抗が減少します。
24AWG以上:長距離配線や高電力PoE(例:Wi-Fi 6E/7 AP)給電に適し、電圧低下を抑えます。
28AWG:細径ケーブル。デスク周りなど配線スペースが限られる場所での柔軟な取り回しに適しています(主に短距離用)。
認証マークとして第三者機関の認証を求める
特に業務用では、ケーブルに「UL Listed」や「ETL Verified」などのロゴが印字されている製品を選びましょう。これは製品が国際的な安全規格と性能規格を満たし、一定の安全・性能要件を満たしていることを示す目安になります。
シールドの必要性を正しく理解する
シールドケーブル(STP/FTP)は、工場などの高ノイズ環境では効果的ですが、その効果を発揮するには対応する機器と適切な接地(アース)工事が必須です。一般の家庭やオフィス環境では、非シールド(UTP)ケーブルで十分であり、むしろ安易にシールドケーブルを導入すると接地不良により通信が不安定になるリスクがあります。
LANケーブル選びのよくある質問
Q. Cat6の機器にCat7やCat8のケーブルを使っても問題ありませんか?
A. はい、問題なく接続できます。LANケーブルには下位互換性があります。ただし、通信速度はケーブル・機器・スイッチなどの構成要素の中で最も低い規格に制限されます。Cat8ケーブルを使っても、接続機器がCat6対応なら、速度は1Gbpsが上限です。
Q. ケーブルを交換するだけでインターネットの速度は上がりますか?
A. いいえ、現在お使いのケーブルが速度の「ボトルネック」になっている場合のみ速度が向上します。例えば、10Gbpsの回線契約があるのにCat5e(最大1Gbps)ケーブルを使っている場合、Cat6aに交換すれば速度が劇的に改善されます。しかし、回線やルーター自体が1Gbpsまでしか対応していない場合、ケーブルだけを高性能なものに交換しても速度は変わりません。
Q. 「フラットケーブル」と「丸型ケーブル」、どちらを選べばよいですか?
A. 通信の安定性とノイズ耐性では「丸型ケーブル」が優れています。丸型ケーブルは内部の撚り構造が均一に保たれています。フラットケーブルは配線の美観や狭い隙間を通すのに便利ですが、構造上ノイズに弱いため、短距離の使用に限定することをおすすめします。
Q. PoE (Power over Ethernet) 給電を使用する場合、特に注意すべき点は?
A. まず、導体が無酸素銅のケーブルを必ずお選びください。CCA(銅被覆アルミニウム)ケーブルは抵抗が高く、給電時に過熱する危険性があります。また、高電力(PoE++等)を長距離給電する場合は、電力損失を抑えるため、24AWGなど太めの線径のケーブルが適しています。
Q. 購入したケーブルが本当に無酸素銅かどうか見分ける方法はありますか?
A. はい、簡易的には、切断した断面の色と重さで判断できます。断面全体が均一な赤銅色なら無酸素銅、中心が銀白色ならCCAの可能性が高いです。また、無酸素銅ケーブルはCCAに比べて重く、しなやかな折り曲げ感があります。確実なのは、信頼できるメーカーの「UL認証」済み製品を選択することです。
まとめ
Cat5e、Cat6、Cat6a、Cat7、Cat8という各LANケーブル規格は、それぞれ異なる性能特性と適した用途を持ち、単なる速度や距離の比較ではなく、ご利用のシーン、将来のアップグレード計画、そしてケーブル自体の品質といった要素を総合的に選択することが重要です。FSでは、お客様のあらゆるシーンに対応する各種イーサネットケーブルを提供しております。技術的な違いをご理解いただいた上で、ご自身の具体的な環境に最適な製品をお選びになりたい場合は、お気軽にお問い合わせください。