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ディストリビューションスイッチ vs コアスイッチ:10Gスイッチ購入ガイド

こやま2025年3月20日読了時間約1分

企業のネットワークインフラにおいて、「ディストリビューションスイッチ」と「コアスイッチ」は、データの集約と高速転送を支える重要な役割を担います。ディストリビューションスイッチ(アグリゲーションスイッチ)とコアスイッチの導入は、大容量通信や低遅延を必要とする金融サービスやクラウド基盤で必須です。本記事では、両者の定義や機能、活用シーンの違いから、選定時に押さえるべきポイントまで詳しく解説します。
ディストリビューションスイッチとコアスイッチの違い
コアスイッチとは、スイッチの種類を指すのではなく、ネットワークのバックボーン部分である「コア層」に配置されるスイッチを指します。一方、ディストリビューションスイッチは、複数のアクセススイッチからのトラフィックを集約する中間層のスイッチです。コアスイッチとディストリビューションスイッチは、それぞれ役割や特徴、性能要件、適用されるシナリオが異なります。
機能の違い
コアスイッチは主にルーティングと高速転送に使用され、高信頼かつ最適化されたバックボーン伝送基盤を提供する役割を担います。そのため、コアスイッチには高い信頼性、パフォーマンス、スループットが求められます。
一方、ディストリビューションスイッチは複数のアクセススイッチを集約するポイントであり、アクセスノードを統合し、転送やルーティング機能を果たします。アクセス層機器からのすべてのトラフィックを処理し、コア層へのアップリンクを確実に提供する必要があります。
性能の違い
コアスイッチは、高速転送や大容量のインターフェース帯域幅(10ギガビットインターフェースなど)、大規模なバックプレーン処理能力を備えたスイッチである必要があります。
ディストリビューションスイッチにも高い転送性能が求められ、通常はレイヤー3スイッチが使用されます。
ネットワーク設計においては、コア層機器に対して特に冗長性・信頼性・伝送速度の面で高い要件が課されるため、コア層機器がネットワーク全体のコストの多くを占めるのが一般的です。
使用シナリオの違い
コアスイッチやディストリビューションスイッチには固定された要件はなく、ネットワーク環境の規模や機器の転送能力によって異なります。また、すべてのネットワークが必ずしも3層構造である必要はありません。「コアスイッチ」や「ディストリビューションスイッチ」という用語は、ネットワークのアーキテクチャを示すものであり、小規模なLANの場合、8ポートの小型スイッチでもコアスイッチと呼ばれることがあります。コアスイッチが必要となるのは、ネットワーク内のコンピュータの台数がある程度の規模に達した場合です。基本的に、50台未満のネットワークであれば、ルーターのみで対応可能です。
ネットワーク業界では、コアスイッチとは、ネットワーク管理機能と高いスループットを備えたレイヤー2またはレイヤー3のスイッチを指します。100台を超えるコンピュータを含むネットワークを安定かつ高速に運用するためには、コアスイッチが不可欠です。
FS 10Gスイッチ購入ガイド
コア層の主な目的は、高速な通信を通じて最適化された信頼性の高いバックボーン伝送構造を提供することです。そのため、コア層スイッチには高い信頼性、パフォーマンス、そしてスループットが求められます。
FS S5860-20SQおよびS5860-48SCスイッチは、コアスイッチの代表的な製品であり、大規模なキャンパスネットワークのアグリゲーションや、中小規模ネットワークのコア層に最適です。また、データセンター、リモートオフィス、WAN拡張など、高速伝送と長距離接続が求められるシナリオでも活用できます。ディストリビューションスイッチとしては、高性能イーサネットスイッチであるFS S3910シリーズおよびS5810シリーズが代表的です。
製品規格紹介
型番
階層
コア層、ディストリビューション層
コア層、ディストリビューション層
アクセス層、ディストリビューション層
レーヤー
L3
L3
L3
ポート
20x 1G/10G SFP+ | 4x 10G/25G SFP28、2x 40G QSFP+
48x 1G/10G SFP+ | 8x 40G/100G QSFP28
24x 100M/1000M/2.5G/5G/10GBase-T、4x 10G SFP+ | 4x 25Gb SFP28
スイッチチップ
BCM56170
BCM56873
BCM56170
スイッチング容量
760 Gbps
2.56 Tbps
760 Gbps
転送レート
565 Mpps
1,904 Mpps
565 Mpps
電源
2 (1+1冗長) ホットスワップ対応
2 (1+1冗長) ホットスワップ対応
2 (1+1冗長) ホットスワップ対応
ファン
2x ホットスワップ対応
3+1ホットスワップ対応
3 (2+1冗長) ホットスワップ対応
スタック機能
対応
対応
対応
QoS機能
対応
対応
対応
考慮すべき要素
ネットワーク層の確認:
ディストリビューション層は必要ですか?
ユーザー数が200人以上の規模では、ディストリビューション層の導入が推奨されます。
トラフィックモデルの評価:
ビデオ会議やクラウドストレージなど、高帯域幅を必要とするアプリケーションがある場合、スループット性能の高いコアスイッチが求められます。
機能要件
QoS:QoS機能により、重要なトラフィックを優先的に通過させることができ、データ転送率の向上とパケットロスの軽減が期待できます。
スイッチング容量と転送性能:パケット転送レートおよびスイッチング容量は、企業ネットワークにおいてコアスイッチの性能を左右する重要な要素です。アクセススイッチやディストリビューションスイッチと比べ、コアスイッチには可能な限り高い転送速度とスイッチング容量が求められます。
結論
本記事で解説したポイントを踏まえ、自社のニーズに最適な10Gスイッチ選定を行い、将来的な通信インフラの安定性と効率性を確保するための戦略を検討しましょう。今後の技術動向に応じたネットワークのアップグレードは、企業の競争力向上につながるため、最新の情報を常にキャッチアップし、最適なソリューションを導入することが成功の鍵となります。
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